コツコツです。皆さん骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という病気はご存知でしょうか?
長寿時代において、避けては通れない病気だと思います。いつごろ診断されるかは個人差がありますが、基本的に誰でもなり、完全に治すことは難しいです。治すというよりは予防する、進行を妨げることが治療と考えてもらっていいと思います。(治療により骨密度を上げることは可能です)
病態
骨はずっと同じ形を保っている様に見えますが、絶えず骨吸収と骨形成を繰り返しています。このバランスが崩れる(骨吸収↑ 骨形成↓)と骨はスカスカになっていきます。簡単にいうとこれが骨粗鬆症です。加齢に伴って起きることですが、女性は閉経後に急激に進行することがわかっています。
検査
この病気の難しいところは、誰でもなるにも関わらず、骨折してから気づく方が多いということです。健康診断や人間ドックを定期的に受けている方で、骨密度検査を受けている方であれば早期に診断可能ですが、あまり多くはいらっしゃらない様に思います。
骨密度検査はDEXA法(2重エネルギーX線吸収法)が多く用いられています。測定は骨粗鬆症が原因で骨折しやすい場所で行われます。すなわち、大腿骨頚部、腰椎椎体、橈骨遠位部です。
他にも上腕骨や脛骨、肋骨なんかも骨粗鬆症による骨折を起こすことで知られていますが、検査ではあまり用いられていません。他にも採血で骨吸収マーカーや骨形成マーカーを検査する事もありますが、治療効果判定によく用いられます。
診断〜治療
ガイドラインや各病院によって診断や治療開始の基準は異なると思われますが、基本的にはDEXA法を用いた場合、YAM(young adult mean)値で判断します。これは若い人と比べてどれぐらい骨量が減少しているかを示しています。YAM値が70%以下であれば骨粗鬆症として治療開始することが多いと思われます。
また、既往(今までかかった病気)に腰椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折がある場合は、骨密度検査を行う前に診断し治療して良いと言われています。ただし治療の効果判定のためにDEXA法あるいは骨吸収・骨形成マーカーは測定していた方が良いでしょう。
治療薬
治療薬に関してもガイドラインや学会などでもある程度、統一されてきていると思われます。まあまあボリュームがあるので、また後日説明できたらと思います。
おわりに
骨粗鬆症は遅かれ早かれ、ほとんどの方が治療することになると思います。もっと検査や治療が早期にできる医療体制を望みます。
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