こんにちは、コツコツです。
本日は整形外科で外傷の手術をするときによく聞く、バットレスについてです。
バットレスって何?
建築では一般的な知識の様で、バットレス=控壁を指します。壁が倒れないようにする補強というイメージで良いかと思います。
整形外科領域でバットレスというとどういう意味になるでしょうか。
そうです、整復した骨折部を支えるという意味になります。
バットレスプレート
まず骨折に対する骨接合術の知識がないといけませんね。
基本的に骨折部をプレートで固定する場合は、骨折部をまたいでプレートで固定する必要があります。
これは長管骨骨折(四肢の長い骨)では容易なのですが、関節に近い場所の骨折=骨幹端部や関節内骨折では困難になります。
この場合、四肢に荷重をかけた状態で骨折部に生じる、「剪断力」にいかに抵抗するようにプレートをおくかが重要になります。
(橈骨遠位端骨折に対するバットレスプレートの例です)
剪断力がかかる方向にプレートをおいて骨折部を支える、それがバットレスプレートと考えていいと思います。
これは個々のプレートの名称であるわけではなく、そういう概念があるということです。
バットレスプレートをよく用いる症例
・橈骨遠位端骨折(骨幹端〜関節内骨折)
・脛骨高原骨折(関節内骨折)
・腓骨遠位端骨折(後方バットレス)
などがあります。他にもたくさんのケースで用いられると思います。
おわりに
いかがでしたか。バットレスについて何となく理解できたでしょうか。細かいテクニックは手技書などで確認したほうがよいと思います。
骨折は受傷機転や剪断力の方向を考えると、より理解が深まるかと思います。
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