こんにちは、コツコツです。
今回も意外と知らないシリーズで、モートン病を紹介したいと思います。
モートン病って何??
整形外科医でも頻繁にみる疾患ではないですが、外来をやっているとちらほらみかけます。
簡単にいうと趾神経の神経腫による痛みです。
元々は第3-4趾間の神経腫が原因による疼痛といわれていましたが、第2-3趾間でも多くみかけます。
歩行時に疼痛は増悪し、安静にすると軽快することが多いです。軽微な外傷や神経周囲の圧迫によるものとされています。
赤:第3-4趾間 青:第2-3趾間
診断は?
趾間部の圧痛や、しびれなどの症状からの診断で良いと思われます。
一般的なしびれの鑑別は必要です。腰部脊柱管狭窄症や糖尿病性神経障害など鑑別疾患にあげ、下腿や他の足趾にも疼痛やしびれがないかなどの確認は必要と考えます。
画像評価に関して、神経種が小さいと描出することが難しいですが、他の疾患と鑑別するためにエコーやMRI検査は有用であると思います。
治療は?
前足部に荷重がかかると疼痛が増悪することが多いので、踵に体重がかかるようなインソールを使用したり、前足部の幅の広い靴を使用するように指導します。
ハイヒールなどは疼痛増悪の原因になるので使用しないようにお話しします。
特に既往がなければNSAIDsなどの鎮痛薬を処方することもあります。疼痛が長引く場合には局所注射も使用します(キシロカイン、ノイロトロピンなど)。
神経種が大きい場合には神経種の切除などの報告があります。
おわりに
いかがでしたか。モートン病はその病態を知らないと、診断できない疾患です。また趾神経の走行などを頭の中にいれておくと良いかと思います。
治療に関して困ったら足の外科の先生に相談することをおすすめします。
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