こんにちは、コツコツです。今回は整形外科でよく聞くロッキングプレートについて少しだけお話ししたいと思います。
ロッキングプレートとは?
そもそもロッキングプレートって何でしょうか?ここ10数年あたりで出てきた概念かと思います(間違っていたらすみません)。
簡単に言うとプレートとスクリューが一体となれるプレートのことです。
引き抜き強度
ロッキングプレートが出てくる以前は普通のプレートしかありませんでした。
骨にプレートをのせてスクリューを打つと、プレートが引け寄せられるて固定されるのですが、骨の脆弱性やマイクロモーションなど何らかの原因でスクリューが抜けてくることがあります。普通のプレートですと、そのまま他のプレートも抜けてきてプレートが転位(ずれ)してきます。
ロッキングプレートはスクリュー挿入部にネジ切りされているためスクリューを挿入するとプレートとスクリューが一体化します。なので引き抜き強度が上がり、固定性が抜群に上がります(この辺りは物理に詳しい方が理解できるかもしれません)。
上図はイメージ画像です。
左のプレートにネジが切られているのがロッキングスクリューホールです。
右が普通のスクリューです(ノンロッキングスクリュー、コーティカルスクリューなどとも呼ばれます)。
ロッキングスクリュー
以前お話しした、コーティカルスクリュー、キャンセラススクリューでもないスクリューが出てきていますね。
ロッキングスクリューは上記にも示したようにスクリューのヘッドにネジ切りがあるスクリューです。プレートにもネジが切られているので、挿入するとプレートとスクリューが一体化する仕組みになっています。
順番として多いのはコーティカルスクリューを挿入したのちに、残りのホールにロッキングスクリューを挿入していく順番ですかね。イメージとしてはコーティカルで骨とプレートを引き寄せて、ロッキングスクリューでその状態を固める感じです。逆にロッキングスクリューから挿入してしまうとプレートが引き寄せられずに、そのまま固定されることがありますので注意が必要です。また、コーティカルスクリューとの違いとして、大体ロッキングスクリューのドライバー(スクリューを締める道具)にはトルクレンチが付いており、必要以上にスクリューにトルクがかからないようになっています。
どちらのスクリューも手前と反対側の骨皮質を貫通することで強度が上がります(バイコーティカルなどとよく言われていますよね)。
おわりに
いかがでしたか。詳しくは教科書で学んだ方がいいかもしれませんが、何となくイメージできるようになったと思います。また手術の時の注意点など記載できたらと思います。
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