医学

骨癒合について

こんにちは、コツコツです。今回は骨折と骨癒合に関する内容です。

骨がくっつくことを骨癒合するといいます。骨折の骨癒合過程は二つに分けられます。

① 直接的骨癒合(direct healing)

② 間接的骨癒合(indirect healing)

直接的骨癒合

直接的骨癒合というのは、骨折部を解剖学的に整復し、スクリューやプレートで固定をした後に生じます。すなわち、手術をして治すということです。骨を元の位置に完全に戻す=hair lineに整復するなどと表現したりもします。特徴は仮骨(callus)を形成しないことです。そのため骨癒合に時間がかかり、癒合後の強度もそこまで強くありません。

間接的骨癒合

一方、間接的骨癒合は骨折に隙間があったり、粉砕している時に生じる癒合形態です。骨折するとその間に血腫がたまり、そこに仮骨ができます。仮骨を形成するためレントゲンで骨折部が白くなったりします。仮骨がある方が骨癒合後の強度が上がります。よく骨を折ったら強くなると言われているのは、このことを指していると思います。四肢の長管骨の骨幹部骨折の時によく起きます。逆に関節内骨折ではあまりおきません(理由は治療方針が違うためですが、別の回で記載したいと思います)。小児や若い人はこの仮骨がかなりできます。その後経過とともに、過剰にできた骨が元の形態に戻っていくことが多いです。

遷延癒合と偽関節

骨のくっつきが悪いことを遷延癒合と呼びます、また骨がくっつかないことを偽関節と呼びます。

骨がくっつきにくいのはどういう時でしょうか。高齢になると骨の代謝が落ちるため若年者よりも癒合に時間がかかります。他にはステロイドなど免疫抑制薬を使用している方も骨代謝に影響すると言われています。栄養状態がそもそも悪いと骨の作りは悪くなります。この辺りはよく知られていることと思います。

他にも喫煙が影響します。血管収縮を伴うため、骨癒合に悪影響を及ぼすと考えられています。喫煙者の遷延癒合や偽関節はしばしば目の当たりにします。その場合、超音波治療や再手術が必要になります。

おわりに

少し聞きなれない言葉だと思いますが、骨折の治癒過程には2種類あるということをご理解いただけたかと思います。また、骨の治りやすさは年齢、既往(もともと持っている病気)、内服薬で変わるということも知っておきましょう。

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