こんにちは、コツコツです。
今回は解剖学的な内容です、知っている人にとっては当たり前なのですが、意外と整形外科最初の頃はわからなかった単語です。
実際手術でも膝関節専門でないとあまりみないところですから。。
鵞足とは?
膝関節近位内側の半腱様筋、薄筋、縫工筋が付着している部位のことです。
その付着部のみためが、ガチョウの足のようにみえることからその名前がついている様です。
英語ではPes Anserius(鵞鳥anser)となります。
ちなみに
半腱様筋(semitendinosus muscle)よく「セミテン」って呼ばれます。
薄筋(gracilis muscle)よく「グラチリス」とか「グラ」とか言ってます。
縫工筋(sartorius muscle)よく「サルトリウス」と言います、そのままですね。
解剖学的には
手術でみたことある人ならわかると思うのですが、慣れていないと見分けるのが難しいですよね。
鵞足付着部の表面は縫工筋の筋膜で覆われています。非常に薄いこともあるので同定する前に切離しないように注意が必要です。
その下には近位に薄筋、遠位に半腱様筋がついています。薄筋よりも半腱様筋の方が厚くてしっかりしています。
黒い部分:縫工筋の筋膜付着部
青色:薄筋 赤色:半腱様筋
前十字靭帯再建術の移植腱として用いる場合には正確に把握する必要があります。
また、脛骨高位骨切り術や脛骨近位内側の脛骨高原骨折などではしっかりと保護する必要があります。
鵞足炎
この鵞足に炎症がおきると鵞足炎とよばれるようになります。
スポーツ選手、アスリートに多いとされていますが、そうでない方でも起こり得ます。
基本は膝関節の安静と、消炎鎮痛薬や外用薬でよくなりますが、予防としては膝関節のストレッチや筋トレ、サポーターの使用などになります。
また、局所的な疼痛を抑えるために局所的なトリガーポイントなども行うことがあります。
おわりに
いかがでしたか。鵞足という整形外科以外ではあまり聞き慣れない単語でしたが、ご理解いただけたでしょうか。
解剖学的に大事なところですので、よく覚えておきましょう。
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