こんにちは、コツコツです。
あっという間に1年が過ぎていきますね。
今回は鵞足に続いて、同じ脛骨近位部のGerdy結節についてです。
Gerdy結節とは
Gerdy結節とは腸脛靭帯が付着する(停止する)脛骨近位部の結節のことです*。
*赤色で囲まれている部分です。鵞足とは反対側ですね。
腸脛靭帯とは、腸骨陵から脛骨にかけて走行する靭帯のことです(ITT: ilitotibial tract)。
大腿骨外側から手術する時、皮膚切開後に最初にお目にかかる靭帯です。
ちなみにGerdy結節のことをガーディ結節と呼ぶことが多いのですが、由来となっているGerdyさんはフランス人のようで、
正式にはジェルディ結節のようです。教科書などで確認してみてください。
手術中よくガーディ結節と言っていましたが、、
ランナー膝
腸脛靭帯がでてきたのでついでに覚えてしまいましょう。
この腸脛靭帯で炎症がおきると腸脛靭帯炎と呼ばれます。いわゆるランナー膝です。
膝の屈伸などを繰り返すことで、外側上顆部で機械的に摩擦が起きることが炎症の原因と言われています。
病歴や圧痛点、エコーなどで診断可能です。レントゲンでその他の骨折がないか確認することは必要ですが。。
治療は患肢の安静と鎮痛薬や外用薬で炎症を抑えることです。
手術での遭遇
どういった手術で遭遇するかというと、、
・脛骨近位部骨折(特に脛骨高原骨折の外側split type)
・人工膝関節置換術
・脛骨高位骨切術(lateral closing wedge)
などになります。
基本的には温存したいのですが、プレート設置などでどうしても邪魔になる場合はGerdy結節から腸脛靭帯を一部〜全部はずすこともあります。
おわりに
いかがでしたか。よく手術中に聞く単語だと思いますので、周囲の解剖と一緒に覚えておきましょう。
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