医学

整形外科的知識15:ブロッカーピンって何?

こんにちはコツコツです!

今回はブロッカーピンについてお話ししたいと思います。

どんな時に使う?

長管骨の骨折で、髄内釘を使う手術の時に出てくるワードだと思います。

もちろん必要としないことも多いとは思いますが、知ってて損はないと思います。

例としては、、

シンプルな斜骨折でも転位が大きく、徒手整復できない、、

でも、骨折部をあけて整復するほどでもない、とかもう少しclosed reduction頑張りたい、

また骨折部の皮膚軟部組織にダメージがありあまり触りたくない、大きな皮膚切開をしたくない

などのシチュエーションが考えられます。

ブロッカーピンとは

ここでブロッカーピンについて図で示したいと思います。

イメージは脛骨骨幹部斜骨折です。

髄内釘をいれようとしましたが、骨折部が整復されておらず、このままだと転位が残ったままになってしまいます。

そこで、青丸の部分にKwireをAP方向(前後方向)で挿入します。その後に髄内釘をいれます。

ブロッカーピンにおされて髄内釘が真っ直ぐに入ります。

ブロッカーピンの他にブロッカースクリューを用いることがあります。

ただスクリューの場合は新しくスクリューを出すか自前のものを用意しないといけなかったり、骨に大きな穴を開けることになるので注意が必要です。

大体の場合は2.0mm前後のKwireを用います(骨の大きさにもよります)。

どこに打ったらいいの?

ブロッカーピンを打つ場所なんですが、直感的にわかる人も多いと思います。

髄内釘が自分の思うところに行く様に誘導する、逆に行って欲しくないところに行かない様にするっていうイメージです。

また簡単な見分ける方法として、骨折線と垂線がなす鋭角部分がブロッカーピンを入れる部分というものがあります。

こんな感じです。確認として覚えておくといいと思います。

理論的にはいいのですが、実際は骨折のタイプだったり転位が大きすぎたりするとうまくいかないこともあります。

万能な整復方法ではないということも覚えておきましょう。また挿入する皮膚軟部組織にも注意が必要です。

おわりに

いかがでしたか。ブロッカーピンは使える様になると手術の技術が1段階上がった感じになります。骨折整復の理論としてぜひ覚えておきましょう。

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