医学

橈骨遠位端骨折について②

こんにちは、コツコツです。前回に引き続き、橈骨遠位端骨折についてお話していきたいと思います。

まずは観血的整復固定術について少し触れたいと思います。

観血的整復固定術

聞いたことがあると思いますが、英語ではOpen Reduction Internal Fixation(ORIF)と言ったりしますよね。

観血的整復固定術とは文字通り、皮膚を切って、骨折部を目で見て確認し(血を観て)、整復を行い(reduction)、固定する(fixation)手術です。

なのでスクリューで固定してもプレートで固定しても、しっかり骨を見て直接整復、固定していれば当てはまることになります(そう考えています)。

これとは反対に closed reductionで行う方法が経皮的鋼線刺入術になるかと思います。

経皮的鋼線刺入術

実際臨床でよく目にする手術かと思います。橈骨遠位端骨折に限らず、手指の骨折や足関節の内果骨折でも行われますよね。

これは直接骨を見るのではなく、徒手整復し、透視(イメージ)で骨の位置を確認し、小切開でK-wireを骨にあてながら挿入していく手技になります。

1番のメリットはやはり低侵襲であること、手術時間が短く済むことだと思います。出血も少なく済みます。

デメリットとしては粉砕している骨折や転位が大きい骨折、時間が経っている症例では徒手整復で戻すことができないことが挙げられます。

また大きく切開するわけではないので、皮下にある神経や血管を確認できず、損傷するリスクがあります。

なので、経皮的鋼線刺入術で手術がうまくいかないときは観血的整復固定術に移行することを考えておく必要があります。

橈骨遠位端骨折の場合はどっち?

結論から言うとどちらも使います。

簡単な考え方としては、年齢と関節内骨折か否かになります。

観血的整復固定術

青壮年や高齢者の場合によく行われます。特に高齢者は骨がもろく、K-wireだけだと術後に転位してくることがあるので、観血的整復固定術(プレート固定)がよく選択されます。ただし、手術せずにギプス固定で手関節の機能を温存できる方法もよく報告されていますので、高齢者の手術適応は本人や家族と相談しながら、その社会背景もよく考える必要があります。

関節内骨折であれば、それを治すために観血的整復固定術を行わざるを得ません。simpleなものであれば徒手整復できることもありますが、転位が残存することが多いです。また固定もKwireやスクリューでは不十分で、プレート固定が必要になります。

経皮的鋼線刺入術

まだ骨端線が残っているような年齢の小児であれば経皮的鋼線刺入術で十分だと思います。

また単純な関節外骨折であれば、背側と橈側のIFP(intrafocal pinning)で固定できることがほとんどです。術後はシーネ固定やギプス固定を行います。

おわりに

いかがでしたか。ざっくりと橈骨遠位端骨折の手術内容についてお話ししました。具体的な手術の話も今後記載できたらと思います。

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